過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)とは、ストレスなどを原因としてさまざまな腸の不調を引き起こす病気です。
炎症や腫瘍などの器質的な問題がないにもかかわらず、次のような症状が現れます。
過敏性腸症候群の症状
- 腹痛やお腹の不調が数カ月間続いている
- 下痢または便秘が数カ月間続いている
- 下痢と便秘が交互に繰り返される
- 腹痛があるが、排便後に一時的に和らぐ
- 排便の回数が日によって大きく違う
過敏性腸症候群の原因
ストレスが原因の1つであると言われています。
自律神経やホルモンバランスが乱れ、腸の正常な蠕動運動が障害されると、痛みなどの症状を知覚しやすい過敏な状態に陥ります。
その他、ウイルス・細菌感染で腸炎を起こした患者様が、その治療後に過敏性腸症候群になるケースもよく見られます。
過敏性腸症候群の可能性
過敏性腸症候群が疑われたときには、炎症や潰瘍などの問題がないことを確認して診断します。炎症性腸疾患や大腸がんと、症状がよく似ているため、その鑑別が重要なポイントとなります。
「お腹の調子が悪いだけだから」と我慢してしまう方も少なくありませんが、症状を放置していると、生活の質も低下します。また、日々積み重なる不安によって症状を悪化させてしまう方もおられます。症状に気づいたときには、お早目にご相談いただき、適切な検査・治療を受けましょう。
過敏性腸症候群の診断
症状をお伺いした上で大腸内視鏡検査または超音波検査などを行い、器質的な問題がないことを確認し、診断します。
たけむら内科消化器クリニックでは、鎮静剤や鎮痛剤を用いた苦痛の少ない大腸内視鏡検査、下剤を飲まない大腸内視鏡検査にも対応しております。
過敏性腸症候群の治療
生活習慣指導
食べ過ぎ・飲み過ぎなどの食習慣の乱れがあれば改善のための指導をいたします。
また、ストレスを溜めないこと、質の良い睡眠をしっかり確保することも大切ですので、そのためのアドバイスを行います。
薬物療法
便秘なのか、下痢なのか、便秘と下痢の繰り返しなのかを判断し、適切な内服治療を行います。
生活習慣指導によるストレスの軽減が難しい場合には、抗不安薬などを処方することもあります。